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捕獲されたネコたち

 沖縄本島北部やんばる地域に生息する希少種を守るためと称して、環境省と沖縄県はあわせて(2003年12月時点では)1,100個の捕獲器を仕掛け、マングースとネコを捕獲するという外来種対策事業を行っています。沖縄県は2000年よりマングース、2002年5月よりネコの捕獲を開始。環境省は2001年よりマングースとネコを断続的に捕獲。2003年は10月より捕獲開始しました。

  捕獲されたネコたちは沖縄県動物愛護管理センター(2006年3月以前は北部福祉保健所)で狭いケースに入れられたまま約1週間おかれ、引き取り手がない場合は殺処分されてしまいます。

  また愛護動物であるネコは捕獲処分できないため、「民家から500m以上離れた場所で生息するものは飼い猫ではなく野生生物であるノネコ」とし、害獣駆除として沖縄県知事が捕獲許可を出しています。しかし、捕獲されたうちの数頭は責任感のある飼い主やノラにエサを与えている人が申し出て返還されており、捨てられたネコが野生化したといわれるネコばかりが捕獲されているとはいえないのが現状です。(ノネコとノラネコは呼び方がよく似ていますが、ノネコは野生化した猫=野生生物という定義であり、愛護動物であるノラネコとは別のものと言われています)

  やんばるの森に生息する野生生物も捨てられたり持ち込まれたりした動物たちも、どちらも一生懸命生きている1つの大切な命です。一方を助けたいがために一方の命を犠牲にする今の方法でよいのでしょうか?

 犬猫などの愛護動物の飼育に慣れているケルビムでは、罪のない猫たちの命を救うため、捕獲されたネコたち全頭の引き取り保護を続けています。写真の映像は2002年1月31日に初めて環境省から譲渡された捕獲ネコたちです。


  またマングースは2006年度までに、2000年10月からの沖縄県とその後の環境省による捕獲事業により既に7,731頭が殺処分されています。捕獲されたマングースの写真はここにはありませんが、彼らには捕獲されると死が待っているのみです。

  「捨てる」「持ち込む」など人間の身勝手な行為の後始末を罪もないネコとマングースにおしつけているのが今の外来種対策であるといえます。

 ケルビムの見解はこちらをご覧ください。

◆関係諸機関連絡先

環境省 自然環境局
〒100-8975 東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
TEL 03-3581-3351(代表)
TEL 03-5521-8282(直通)
FAX  03-3581-7090
Email MOE@env.go.jp

環境省 沖縄奄美地区自然保護事務所
〒900-0027 沖縄県那覇市山下町5-21 沖縄通関社ビル4F
TEL 098-858-5824
FAX 098-858-5825

環境省 やんばる野生生物保護センター
〒905-1413 沖縄県国頭郡比地263-1
TEL 0980-50-1025
FAX 0980-50-1026

沖縄県 文化環境部 自然保護課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
TEL 098-866-2243
FAX 098-866-2240
Email okinawa@pref.okinawa.jp

  捕獲された猫 琉球新報にも「野ネコ3匹捕獲」という記事に大きく載ったミケちゃん。 おとなしい小さいコです。保健所では毎日掃除しているのですが、 トイレを入れるスペースもないほど小さな捕獲器なので、 排泄物と一緒にかなりの時間を過ごさなければなりません。



 2002年9月に保護用キャリーケースが用意されるまでは、北部福祉保健所では狭い捕獲器に入れられたまま約1週間過ごしていました。
みんなかなり怯えています。


 比較的体の大きな茶トラ君。本来とても人なつっこいコのようで、 さかんに人の顔を見ては鳴いていますが、かなり怯えており、 保健所の作業員の方が近づくと怖がって暴れていました。 このコではありませんが、キジトラ君はかなりあばれた のでしょう。 前足の爪がもげて血が出ていました。




 環境省が沖縄本島南部にある金網屋さんに発注しているこの捕獲器は、 扉の部分のつくりが安全性を考えてなく、大変危険です。
  扉の上の部分は断ち切りになっているし、横に渡した針金が扉の内側についているので、 捕獲された猫たちは外に出ようとして隙間から顔を出そうとしますから、 顔を傷つけてしまいます。引き取った猫たちは鼻筋をすりむいているコが多くいました。
今後も使用するなら、捕獲器のつくりを改善することが望まれます。 捕獲されること自体、捕獲される動物にとっては大変な負担になるわけですから、 移動させる必要があるとしても、もっとそれぞれの動物の習性を考慮した上で、 命に優しい方法をとってもらいたいものです。



 捕獲器の中は排泄物だらけ。みんな怖がっているので、持ってきたキャリーに移し変えず、捕獲器ごとケルビムまで運ぶことになりました。この悲惨な状態から早く救ってあげたい。
  
 

  捕獲されたネコの対処法

 一部のマスコミの報道や動物愛護関係者の考えでは、 「行政はネコを殺さず里親探しをおこなっている」とありますが、ネコについてはマングースのように即日処分せず、4日という短い保護期間中に、譲渡希望者があれば譲渡するだけであり、これは沖縄県内の所有者不明猫の保護期間に準じているだけで、行政が積極的にネコを殺さない対処法をとっているとは思えません。

  行政の里親探しの方法は、「引き取り希望の方(または、万一このネコを飼育している方)は飼育期間中に下記までご連絡ください」という一文のはいった捕獲されたネコの写真入りポスター(A4サイズ)を、主に北部地域数箇所に貼りだすものです。貼りだす場所は、動物愛護管理センターとやんばる地域の国頭村・東村・大宜味村など三村の掲示板、やんばる野生生物保護センターですので、動物愛護管理センターの訪問者と沖縄本島北部在住者以外ほとんどの県民が見ることができません。

 また4日という短い期間では、捕獲され怯えている人なれしていないネコに、どれだけの人が譲渡を希望するでしょうか。

 捕獲事業で捕獲され当会が引き取ったネコのうち、一般の人がすぐに飼育できそうなネコは捕獲数全体の約1/5です。ネコたちは、捕獲や保健所内での保管という今まで経験したことのない恐怖の時間をすごしたため、かなり怯えて警戒しているコが多く、本来とても人懐っこいネコでも元に戻るのに数日から数週間、あまり人馴れしていないネコであれば人馴れするのに数ヶ月から数年かかります。

 


  捕獲したネコは愛護動物ですから、本来行政は動物愛護法に準じて飼養の継続の努めを果たさなくてはなりません。4日という短期間ではなくネコが譲渡できる状態になるまで保護期間を延長し、積極的な里親探しを行うことが必要です。

 今までの捕獲事業においては、飼い猫2頭とえさあげをされていたノラ猫1頭が飼い主とえさあげしていた方に返還された以外、一般譲渡希望者が引き取ったのは1頭のみです。

  そのため今後同じような方策を行政がとるとすれば、当会が許容量を超え受け入れできなくなると殺処分されてしまうことは明らかです。

 当会は小さなNPO法人であり、さらに多くの動物の保護里親探しを行うために現在小規模ながら動物保護施設を建設中ですが、既に約400頭の動物たちを保護しているため、保護資金が大変切迫している状態です。

 ネコたちを救うために、さらに多くの方々が「動物愛護法に準じた愛護動物を殺さない対処法を行政の責任としてとってください」という要望を早急に環境省及び沖縄県に送っていただけます様お願い申し上げます。

(愛護動物であるネコを、野生生物であるノネコとして捕獲することの矛盾についてはアニマルウェルフェア連絡会の “動物の法律を考える”ページをご覧ください。)